シェフの森 尚平氏は京都大原で生まれ育った。
元々はソムリエになるための基盤作りとして料理学校に通ったが、卒業後にフランスの星付きレストランに就職が決まり料理人としての道を歩みだした。
パリ【タイユヴァン】東京【ピエール ガニエール】等の名高いレストランで修行を積む中で、地域のテロワール(個性)を感じる地方料理に魅力を感じ、故郷へ恩返しをしたいという想いから2022年【la bûche】をOPENする。
店名に掲げる【la bûche】 はフランス語で「薪」を意味する。
地元である京都大原の食材(野菜やジビエ、山野草等)を主役とし、薪焼きの手法を取り入れたフランス料理が同店のスタイル。日々変わる旬の食材を用いて、その日、その瞬間だからこそ味わえる一皿を創り出す。また、妻の葵さんはサービス・ソムリエとして森シェフを支え、夫婦二人三脚でお客様をもてなす。
薪焼きはシンプルでありながら様々な火入れの応用が可能な一方、扱いが難しく熟練した技術が必要な調理法だ。薪が着火してから燃え尽きるまでの間に絶えず熱の質が変化するため、状態の見極めが必要不可欠となる。
森シェフは薪焼きの特性を見極め、様々な技法を駆使し、食材ごとに最適な火入れをすることによって食材の持つポテンシャルを最大限に引き出す。
また、薪焼きの他にも同店のこだわりは随所に感じられる。
地元食材をふんだんに使用する同店の料理やドリンクには、森夫妻が自ら栽培する葡萄や庭で採れる柚子、山椒、蕗の薹、山野草も積極的に活用する。
例えば収穫した葡萄の実はピューレにして料理に、剪定した葉は乾燥させて自家製リーフティーを作るなど、余すことなく京都大原にしかない食材の魅力を細部に宿す。
料理に合わせるドリンクはワインの他、自家製リキュールを使用したオリジナルカクテルやノンアルコールドリンクを用意する。迷った時は「おまかせドリンクコース」がお薦め。一皿一皿の料理をより一層引き立てるマリアージュ体験が出来るだろう。
古民家を改装したという趣きのある同店は、一歩足を踏み入れると広々としたカウンターにゆったりとしたテーブルを配置する。炉にくべられた薪の炎の揺らぎとパチパチと弾けるような音と香りは温もりを感じさせる心安らぐ空間。
ワインが大好きだという森夫妻。同店に併設するワインセラーには約500種900本もの自然派ワインを取り揃え、お客様は自分好みの1本を料理と合わせて選ぶことも可能だ。
お客様には料理だけではなく大原の自然、街の歴史、澄み渡る空気を身体で感じて頂けるような時間を提供したいという森シェフ。
2024年版ミシュランやゴエミヨに掲載されるなど世界から注目され、今後更なる進化が楽しみである同店は、わざわざ足を運ぶにふさわしい1軒だ。
文/AutoReserve Magazine編集部
写真提供/@Damon Luu
la bûcheは大原にあるフレンチ。シェフの地元である大原の食材と薪焼き、自然派ワインが特徴。店内は、瓦屋根と茜色の壁が素敵な一軒家店舗で、シンプルなカウンターに薪火の赤が映える。お店の周りに広がる自然にも癒される素敵な場所で、目の前の畑では名物の赤紫蘇が栽培されている。大自然の中で、自然派ワインと大原の食材を堪能できる魅力的なフレンチ。